ディフェンダー110で東京〜大阪600km実走|高速快適性と燃費を全公開【2025年】

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「ディフェンダーって、長距離高速は苦手なんじゃないの?」

購入前、そう聞かれたことが何度かあった。オフロードSUVというイメージが強いからか、高速クルーズの快適性を疑問視する声は意外と多い。実際、私自身も納車前にそこだけは少し不安だった。

前のクルマはAudi Q7 55 TFSIだ。あのクルマの高速安定性は本当に抜群で、東名を走るたびに「ドイツ車だな」と思わせてくれた。ディフェンダーはいくら好きでも、その点だけはQ7を超えられないだろう、と半分諦めていた。

ところが2025年秋、仕事の都合で東京〜大阪を日帰りに近い形でクルマで往復することになった。往路は東名・新東名経由の約600km。ディフェンダー110 D350で走った結果は、正直、想像をはるかに超えていた。今回はその実走レポートを、燃費データとともにできる限り詳細に公開する。

目次

今回の旅の条件とクルマのスペック

まず前提条件を整理しておく。比較の基準があいまいだと、レポートとして意味をなさないからだ。

走行条件

  • ルート:東京IC → 東名高速 → 新東名 → 名神高速 → 大阪(梅田付近)
  • 距離:片道約600km(下道含む)
  • 乗車人数:大人2名(私+妻)、荷物はキャリーバッグ2個+手荷物
  • 天候:晴れ〜曇り。途中、静岡県内で小雨あり
  • 出発時刻:平日午前6時(渋滞は最小限)
  • 平均巡航速度:110〜120km/h(法定速度内)

車両スペック

  • 車種:Land Rover Defender 110 X-Dynamic HSE D350
  • エンジン:3.0L 直列6気筒 マイルドハイブリッドディーゼル(350ps)
  • タイヤ:純正20インチ(ミシュランパイロットスポーツ)
  • 走行モード:コンフォート(高速メイン)
  • 燃料満タン出発:給油後すぐに出発

D350はランドローバーのディーゼルラインナップの中でも最上位にあたる。マイルドハイブリッドシステムを組み合わせており、市街地での発進から高速クルーズまで幅広い領域をカバーするエンジンだ。

高速走行での乗り心地:Q7と比べて正直に言う

直進安定性は「驚異的」のひと言

東名に乗ってすぐ気づいたのは、ステアリングのどっしりとした重さだ。Q7はどちらかといえば軽快な操舵感で、高速でも軽やかに向きを変えてくれた。ディフェンダーはその逆で、ハンドルを握った瞬間から「地面を掴んでいる」感覚が強い。

車高が高く、車重も2.3トン超えのSUVだから、当然フラつくだろうと思っていた。ところが120km/hで巡航しても、路面の継ぎ目を踏んでも、横風を受けても、車体が流される感覚がほとんどない。エアサスペンションが細かく路面に追従しながら、車体の姿勢を常に水平に保っている印象だ。

特に静岡〜愛知の間、橋の上で横風を受けたときに感じた安心感は格別だった。Q7でも十分安定していたが、ディフェンダーはさらにどっしりとした感触がある。車格が上がったような感覚、とでも言えばいいか。

ロードノイズは正直に言う:Q7より大きい

これだけは正直に書く。高速でのロードノイズはQ7のほうが静かだ。Q7はダブルガラスを標準採用していることもあり、車内の静粛性は非常に高かった。ディフェンダーもX-Dynamic HSEグレードはかなり静音化が進んでいるが、時速100km以上ではタイヤノイズが多少入ってくる。

ただし、「うるさい」とは感じなかった。会話はふつうにできるし、音楽を小音量でかけていても十分楽しめる。「Audiほどではないが、実用上まったく問題ない」というのが正確な表現だろう。

走行モードを「コンフォート」にすると、エアサスが路面の衝撃を積極的に吸収するため、でこぼこ道での突き上げ感もかなり抑えられる。長距離での疲労軽減という意味では、このモード設定が非常に効いていた。

アダプティブクルーズコントロールの完成度

ディフェンダーに標準搭載されている「アダプティブクルーズコントロール(ACC)+レーンキープアシスト」の組み合わせは、長距離走行での疲労を劇的に下げてくれる。

設定速度で前車に追従し、レーンの中央をキープしながら走り続ける。合流車両があれば自動で減速し、車線が空けば再加速する。操作は左手のスイッチだけで完結するため、慣れてしまえばほぼ両手をハンドルに添えているだけで数百キロを走れてしまう。

Q7にも同様のシステムはあったが、ディフェンダーのそれは介入タイミングが自然で、「機械に操られている感」が少ない。ハンドルへのアシストも弱すぎず強すぎず、結果として人間の意図に近い挙動をしてくれる。新東名の120km/h区間でも終始安心して使えた。

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実燃費データ公開:片道600kmで何km/L出たか

いよいよ本題。ディフェンダー110 D350のカタログ燃費は約13〜14km/L(WLTP)とされているが、現実の高速走行ではどうだったか。

区間別の実燃費

区間 距離(概算) 実燃費 備考
東京IC〜静岡SA 約180km 13.4km/L 渋滞なし、平坦路メイン
静岡SA〜浜松SA 約85km 12.8km/L 上り勾配多め、小雨あり
浜松SA〜名古屋IC 約115km 14.1km/L 平坦・追い風気味
名古屋IC〜大阪梅田 約140km 11.6km/L 名神渋滞(京都付近)あり
トータル 約600km 13.0km/L 給油2回、全行程平均

高速巡航メインで13.0km/Lという結果は、正直かなり優秀だと感じた。ディーゼルエンジンの特性上、高速域では燃費が伸びる傾向があるとはいえ、2.3トンを超える大型SUVがこの数字を出すのは驚きだ。

Audi Q7(55 TFSI)と比べると

Q7に乗っていたときも同じルートを何度か走ったことがある。当時のメモをもとに比較すると、Q7(ガソリン3.0Lターボ)の高速平均燃費は概ね9〜10km/L台だった。燃費という観点だけで見れば、ディフェンダーD350のほうが明確に上だ。

燃料タンク容量はディフェンダーが90L、Q7が75L程度。ディフェンダーのほうがタンクが大きく、燃費もよいため、給油の頻度は明らかに減っている。今回の600kmも、SA2回の給油で往路を完走できた。

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疲労感:8時間ドライブを終えて感じたこと

大阪到着時点での正直な感想を書く。「疲れていない」。これが第一印象だった。

出発から約8時間(休憩1時間含む)、ほぼノンストップに近い長距離ドライブを終えて、腰や肩への負担がほとんどなかった。ディフェンダーのシートは見た目以上にサポート性が高く、長時間着座でも腰椎のサポートが安定している。座面の硬さもちょうどよく、柔らかすぎて沈み込むこともない。

妻も「このシート、長時間乗っても全然疲れないね」と言っていた。彼女はQ7のシートも「悪くない」と評価していたのだが、ディフェンダーのほうが疲れにくいと感じたそうだ。

ドライバー目線でもう一つ。ディフェンダーの着座位置は高く、前方の見通しが非常によい。視野が広いため、周囲の状況を把握しやすく、精神的な疲労が少ない。これはQ7にも言えたことだが、ディフェンダーはさらに視点が高い分、高速道路での見通しがさらに優れていた。

Pivi Proナビの使い勝手:長距離で真価を発揮

ディフェンダーに標準搭載されている「Pivi Pro」インフォテインメントシステムは、高速長距離走行でこそ真価を発揮すると感じた。

リアルタイム渋滞情報の精度

今回、名神高速の京都東〜吹田間で渋滞が発生していたが、Pivi Proは約30km手前の時点で迂回ルートを提案してくれた。精度としては市販のカーナビと遜色なく、むしろ更新頻度が高い印象だ。

ただ、日本の高速道路に完全最適化されているわけではなく、PAとSAの案内が若干粗い場面があった。この点は国内向けの後付けナビや、スマートフォンのCarPlay連携のほうが細かい情報が得やすい。私は今回、Pivi Proと並走させる形でApple CarPlayのGoogleマップも活用した。この二刀流が現時点では最適解だと思う。

音楽・エンターテインメント

Meridianのサウンドシステムは高速走行中でも非常に高品位な音を楽しめる。ロードノイズがある程度あるにもかかわらず、音楽の細部まで聴き取れるのは、音響チューニングが車内環境に合わせて最適化されているからだろう。8時間近いドライブでも音楽が楽しめたのは、精神的な疲労軽減に大きく貢献した。

サービスエリアでの駐車:大型ボディの現実

忘れてはいけないのが、大型SUVにとってのPAやSAでの駐車問題だ。ディフェンダー110は全幅2,008mm(ドアミラー含む)、全長4,758mmと国内基準では相当に大きい。

今回立ち寄ったSA(足柄・浜松・草津)では、いずれも大型区画か端のスペースを選んだ。混雑していたが、意識して早めに良いスペースを探すようにすれば、それほど苦ではない。ただし、小型車が多い普通区画に無理やり停めようとすると、隣のクルマへのドア当たりリスクが高まるため注意が必要だ。

これは都市内走行でも同様で、ディフェンダーオーナーとしての宿命でもある。「大きさのリスクを管理しながら乗る」というスタンスが、結果として安全意識を高めてくれるという副産物もある。

帰路(夜間走行)で感じたこと

大阪での用事を終え、帰路は夜間の走行となった。午後9時に梅田を出発し、東京着は翌午前1時半ごろ。夜間の高速を約600km走った印象も記しておく。

ヘッドライトの性能

ディフェンダーのマトリクスLEDヘッドライトは、夜間の視認性が非常に高い。対向車がいるときは自動でハイビームを制御し、歩行者や障害物の検出精度も高い。夜間走行では特にこのヘッドライトの恩恵を強く感じた。Q7も同様のシステムを持っていたが、ディフェンダーのそれは照射エリアが広く、コーナーの先まで照らしてくれる感覚がある。

夜間の眠気対策

ディフェンダーには「ドライバーアテンション・モニタリングシステム」が搭載されており、一定時間以上直進が続くか、ステアリングの動きが単調になると、休憩を促すアラートが鳴る。帰路では名古屋付近で一度アラートが鳴り、PAで15分ほど仮眠をとった。このシステムが安全運転のセーフネットとして機能しているのは間違いない。

総まとめ:ディフェンダーは「高速が苦手」は完全な誤解だった

冒頭の疑問に戻ろう。「ディフェンダーは長距離高速が苦手なのか?」

答えは明確だ。まったくそんなことはない。むしろ、長距離高速走行においてディフェンダーは非常に優れた実力を持っている。

今回の600km走行で得られた主な結論をまとめる。

  • 直進安定性:2トン超のボディが高速でどっしりと安定。横風にも動じない
  • 実燃費:高速巡航で13.0km/L。ガソリンSUVのQ7より明確に良好
  • 快適性:エアサスとシートの組み合わせで8時間後でも疲労感が少ない
  • 運転支援:ACCとレーンキープが長距離での精神的・身体的疲労を大幅低減
  • 弱点:ロードノイズはQ7より多少大きい。SAでの駐車は意識が必要

ロードノイズの点だけはQ7に軍配が上がるが、それ以外の総合点では正直ディフェンダーが上回っていると感じた。特に燃費と疲労感の少なさは、長距離ドライブを頻繁にするドライバーには大きなアドバンテージになる。

「ディフェンダーは日常使いやオフロードは得意だけど、高速はなあ…」と思っている方がいたら、ぜひ一度試してほしい。その印象は確実に変わるはずだ。

次回は、今回の往路で気になった「名神の渋滞区間でのディフェンダーの燃費変化」についてさらに詳しく掘り下げてみたいと思っている。

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この記事を書いた人

Audi Q7からLand Rover Defender 110 X-Dynamic HSE (D350) に乗り換えた現役オーナー。
週末は家族とキャンプやスキーに出かけ、雪山での走破性や積載性をテストしています。「大人の遊び車」としてのカスタム、維持費の実録、ディーゼルエンジンの燃費記録など、カタログには載っていないオーナー目線のレビューを更新中。

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