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「ディフェンダーを買ったなら、一度くらいは本気のオフロードを走らなければ」——そう思いながらも、納車から半年以上は都内と週末のキャンプ往復ばかりで、舗装路しか踏んでいなかった。Q7時代もそうだったように、「いざとなれば走れる」という安心感を持ちながら、実際には一度も未舗装路に踏み込まなかった。
そんな自分にとって、2025年秋に初めて訪れた本格オフロードコースは、まさに目からウろこの体験だった。同時に「もっと事前に知っておけばよかった」という反省も多かった。この記事では、Q7からD350に乗り換えたオーナーとして、初オフロードで気づいた5つのポイントを率直にまとめる。購入を検討中の方にも、すでにオーナーでオフロードに二の足を踏んでいる方にも、参考になれば嬉しい。
ディフェンダー110でオフロードに挑戦しようと思ったきっかけ
Q7に乗っていた頃は「SUVはシティユース」と割り切っていた。Q7のエアサスは舗装路での乗り心地を最適化するためにあり、悪路走破性よりも高速道路での安定感を評価していた。ディフェンダーに乗り換えた動機のひとつに「いざとなれば本物の走行性能がある」という期待があったことは確かだ。しかし半年以上、その「いざ」は来なかった。
きっかけは、SNSで知り合ったディフェンダーオーナーコミュニティのイベントだった。「初心者向けオフロード体験走行会」と銘打ったイベントで、インストラクターが同乗してくれるという。「これを逃したら、一生オフロードは走らない気がする」——そう思って申し込んだ。
実際に行ったオフロードコースの概要
場所とコースの特徴
会場は関東近郊の民間オフロードパーク。舗装路からのアクセスも良く、コース内にはインストラクターが常駐している初心者向けの施設だ。コースには大きく分けて「基礎ゾーン(緩やかな泥濘・砂利)」「岩盤ゾーン(傾斜・段差)」「ウォータークロッシング(水深20〜30cmの浅瀬)」の3エリアがあり、難易度に応じて走る区間を選べる仕組みになっていた。
今回は初回ということもあり、基礎ゾーンと岩盤ゾーンを中心に走行。ウォータークロッシングにも1回チャレンジした。同行したインストラクターは元ランドローバーのデモドライバーという経歴を持ち、車両の特性を熟知していた。
当日の路面コンディション
前日まで雨が続いた影響で、基礎ゾーンの泥濘はかなりぬかるんでいた。轍(わだち)の深い箇所では、タイヤが沈み込みサイドステップが地面に接触しそうになる場面もあった。岩盤ゾーンは濡れた岩で滑りやすく、思いのほか緊張感があった。これが晴天続きのドライ路面だったら、また違う印象だったと思う。
ディフェンダー110のオフロード装備をあらためて確認する
インストラクターから最初に言われたのは「まず車の機能を正確に理解してから走りましょう」という言葉だった。D350に乗りながら、実は使いこなせていなかった装備があることを思い知らされた。
テレインレスポンス2(Terrain Response 2)
ディフェンダーの中核となるオフロード制御システムが「テレインレスポンス2」だ。センターコンソールのダイヤルで走行シーンに応じたモードを選べる。モードは大きく以下の通り。
- Grass/Gravel/Snow(草・砂利・雪):滑りやすい低摩擦路面向け。トラクションを均等に配分し、スタック防止を優先する
- Mud and Ruts(泥・轍):深い泥濘や轍向け。ホイールスピンを積極的に許容し、泥を掻き出す
- Sand(砂):砂地向け。トルクを高め、サスペンションも高めに維持する
- Rock Crawl(岩盤):急な傾斜や段差向け。極低速で精密なトルク制御を行う
- Auto(自動):路面状況をセンサーで自動判断しモードを切り替え
今回インストラクターから「日常ではAutoで十分ですが、今日のような泥濘ではMud and Rutsに手動で切り替えてください」と指示があった。Autoに頼りきりでいた自分には、なるほどと思う場面だった。
エアサスペンションと車高調整
筆者のD350はオプションのエアサスペンション装着車ではなく、コイルスプリング仕様だ。ただしD350グレードには標準でアダプティブダイナミクスが備わっており、路面に応じた減衰力調整は自動で行われる。エアサス装着車であれば手動で車高を上げる「オフロードハイト」が使えるが、コイルスプリング車でもその走破性は十分に高い。実際、今回のコースでは困る場面はなかった。
ウェイドセンシングとウォータークロッシング
ディフェンダーはウェイドセンシング(水深センサー)を標準装備しており、メーターパネルに現在の水深を表示できる。最大渡河水深は900mmとされているが、初心者が無闇に深みに入るのは禁物だ。今回のウォータークロッシングは水深約25cmで、センサーには余裕の数値が表示されていた。それでも車内から見る水しぶきは迫力満点だった。
初オフロードで学んだ5つのポイント
ポイント1:テレインレスポンスは「手動選択」が基本
最大の学びはこれだった。日常的にAutoモードで走っていると、オフロードでも「Autoに任せればいい」という感覚になりがちだ。しかし深い泥濘では、Autoが状況を正確に判断する前にスタックしかねない。インストラクターの指示通りMud and Rutsに切り替えた途端、轍にはまりかけていたタイヤがしっかりグリップを回復した。
走行前に路面を観察し、コースに応じてモードを先に設定しておくこと——これがオフロードの基本中の基本だとわかった。Autoはあくまで「万能の次善策」であり、明確な路面状況が見えているときは手動選択が正解だ。
ポイント2:タイヤ空気圧は事前に下げておく
これは完全に見落としていた。インストラクターから「空気圧は下げてきましたか?」と聞かれて、正直「考えていなかった」と答えてしまった。舗装路の通常空気圧(筆者車は前後ともに約2.8bar)のままでオフロードに入ると、接地面積が小さいためグリップが落ちる。泥濘や砂地では2.0〜2.2bar程度まで落とすのが定石とされる。
コース内に空気圧調整ができるエアコンプレッサーが置かれていたため、スタート前に対応できたが、自前でポータブルコンプレッサーを持参すれば帰路の高速走行前にも対応しやすい。オフロードに行くなら車載工具として揃えておきたいアイテムのひとつだ。
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ポイント3:「勢い」は禁物。低速・定速が基本
Q7のSUVドライブで染みついた「多少荒れた路面は速度で突破する」感覚は、本格オフロードでは完全に逆効果だ。岩盤ゾーンで段差を越えようとして、思わずアクセルを踏み込んでしまった場面があった。インストラクターに即座に「速度を落として!タイヤを岩に乗せるイメージで」と声をかけられた。
Rock Crawlモードではエンジンのトルク配分が極低速に最適化されており、アクセルをほとんど踏まなくてもクリープ力だけで段差を乗り越えられる設計になっている。「車の性能を信じて、人間はステアリングだけ操作する」という感覚を身につけることが、オフロード走行の上達への近道だとわかった。
ポイント4:リカバリーポイントの位置を把握しておく
万が一スタックした際、牽引や引き出しのためのリカバリーポイント(牽引フックの取り付け箇所)がどこにあるかを知らなかった。ディフェンダー110には前後にリカバリーポイントが設けられており、オプションでフロントバンパーにウィンチを追加することもできる。
今回はスタックまでには至らなかったが、コース内に「スタック車両発生」の場面があり、周囲のオーナーたちが手際よくストラップとシャックルを接続してレスキューする様子を目の当たりにした。自分のリカバリーポイントの場所と、ストラップの使い方くらいは事前に確認しておくべきだと痛感した。
ポイント5:帰宅後すぐに洗車する
これは翌朝に後悔することになったポイントだ。泥だらけのまま帰宅し、「疲れたから明日洗おう」と翌朝まで放置したところ、ホイールハウス内部の泥が完全に乾燥して硬化していた。高圧洗車機で落とすのにかなりの手間がかかった。
泥が付いたままの時間が長いほど、ブレーキローターやキャリパー周辺への影響も出やすい。帰宅後は疲れていても、最低限の水洗いだけでも当日中に行うことを強くおすすめする。ディフェンダーはボディ下部の構造が複雑なため、特にサスペンションアームやドライブシャフトブーツ付近の泥は丁寧に流しておきたい。
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Q7からの乗り換えオーナーが感じたオフロード性能の圧倒的な差
Q7はエアサスによる路面追従性や高速安定性が優れた、非常に完成度の高いSUVだ。しかしQ7のオフロード走行能力はあくまで「多少の悪路も走れる快適なSUV」の域を出ない。ブランドとしても、そこがQ7の目指すところではないのだから当然だ。
ディフェンダーD350は根本的に設計思想が異なる。ホイールアーティキュレーション(各タイヤの上下可動範囲)の大きさ、テレインレスポンスによる精密なトラクション制御、Rock Crawlモードの低速トルクの粘り強さ——これらは舗装路では体感しにくいが、オフロードに踏み込んだ途端にその差が明確になる。
Q7では「絶対に入らないような路面」を、ディフェンダーでは「ゆっくり走れば越えられる」と判断できる——この安心感の違いは、数字やスペック表では伝わらない部分だと思う。
「街乗りでも乗り心地が良くて、いざとなれば本気のオフロードも走れる」——ディフェンダー購入前に思い描いていたイメージが、初めて実地で確認できた体験だった。
初心者におすすめの関東近郊オフロードスポット選びのポイント
「どこでオフロード体験をすればいいかわからない」という声をよく聞く。以下は場所選びの際に意識したいポイントだ。
「管理型オフロードパーク」を選ぶ
初心者が公道外の山道や私有地に無断で入るのは法的にも安全面でも問題がある。管理されたオフロードパークであれば、インストラクターの同乗サービスや、万一のスタック時のレスキューサービスが整っていることが多い。利用料はかかるが、安全に本格走行を体験できる。
施設に「ディフェンダー対応」と明記されているか確認する
車幅2,000mmを超えるディフェンダー110は、狭い林道コースやコース幅が限られたパークでは取り回しに難儀することがある。ウェブサイトや問い合わせで「大型SUVの走行実績があるか」を確認しておくと安心だ。
初回はグループ参加がおすすめ
今回のようなオーナーイベントや走行会形式の参加は、複数台が連携して走行するため、スタック時のリカバリーが迅速だ。ディフェンダーのSNSコミュニティやオーナーズクラブで開催情報を探してみると良い。
オフロード走行後のメンテナンスチェックリスト
初回走行後に実施した点検内容をまとめておく。大きなトラブルはなかったが、確認しておいて正解だったポイントがいくつかある。
- タイヤ周辺の泥・石の除去:ホイールハウス内部、ドアのサイドシル下部に泥が堆積していた
- ブレーキパッドと砂・砂利の噛み込み確認:岩盤ゾーン走行後は砂粒がキャリパーに入り込んでいないか要確認
- アンダーボディの目視確認:スキッドプレートやドライブシャフトブーツに傷や亀裂がないか
- タイヤ空気圧の再調整:下げた空気圧を舗装路仕様(2.8bar前後)に必ず戻す
- ウィンドウシール周辺の泥汚れ:窓を開けたまま走行した場合は特に、ドアトリムとシール周辺の清掃を忘れずに
走行後の点検は大げさに聞こえるかもしれないが、泥濘路面では思いのほか細かい場所に異物が入り込む。D350の長い付き合いのためにも、オフロード後はひと手間かけることをおすすめしたい。
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まとめ:ディフェンダーはオフロードで「完成」する
1年近くディフェンダー110に乗りながら、ずっとその本来の性能を使い切れていなかった。初めてオフロードコースに持ち込んだとき、「この車はこういう走りのために設計されているんだ」とあらためて実感した。
テレインレスポンスの手動切り替え、タイヤ空気圧の事前調整、低速定速での走行、リカバリーポイントの把握、走行後の即時洗車——この5つのポイントは、初心者にとって「知っておくだけで大違い」な内容だ。これからオフロードに挑戦したいと考えているディフェンダーオーナーの参考になれば幸いだ。
Q7時代には体験できなかった走破感と達成感を一度知ってしまうと、週末ドライブの計画が変わる。舗装路だけでなく、ディフェンダーが本当に輝く場所へ——ぜひ一度、踏み出してみてほしい。

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