ディフェンダー110を購入する前、最後まで迷った1台がBMW X5だった。試乗だけでなく、実際に見積もりを取り、値引き交渉まで進めた。それでも最終的にディフェンダーを選んだ。今でもX5は素晴らしい車だと思っている。だからこそ、本音で両車を比較したい。

X5の乗り心地は「クルーザー」だった
X5に初めて乗った瞬間、「これはクルーザーだ」と思った。路面のギャップをほとんど感じない。高速道路での巡航は、まるで水面を滑るように静かで安定している。乗り心地という一点に絞れば、正直ディフェンダーよりも上だと感じた。
特に後席の快適性が際立つ。家族を乗せて長距離移動するなら、X5は間違いなく最高の選択肢の一つだ。エアサスペンションが路面の凹凸を丁寧にいなし、車内はどこまでも静か。100km/hで走っていても、会話に声を張る必要がまったくない。
▼ 参考にした動画:carwow日本語による改良型X5の詳細レビュー
自動運転の精度に驚いた
BMW のハンズオフ・アシスト機能は想像以上だった。高速道路で車線の中央を正確にキープし、前車との距離を適切に保つ。カーブでの挙動も自然で、「機械に操られている」という不安感がほとんどない。長距離移動が多い人にとって、この安心感は大きなアドバンテージだ。
ディフェンダーにもアダプティブクルーズコントロールは付いているが、車線維持の精度やスムーズさではBMWが一歩先を行っている。テクノロジーに関しては、さすがBMWと言わざるを得ない。
運転席周りの豪華さはBMWの圧勝
ダッシュボード、センターコンソール、シート——すべてにおいてBMWの質感は高い。革の手触り、ステッチの精密さ、iDriveの操作性。どこに触れても「高級車に乗っている」と実感できる。

特にマッサージ機能付きシートは反則レベルだ。長時間の運転で疲れた腰を、走りながらほぐしてくれる。これを知ってしまうと、他の車のシートが物足りなく感じる。正直、この装備だけでX5に決めてしまいたいと思った瞬間があった。
参考にした動画:X5 xDrive 40d M Sport の試乗レポート
値引きも驚くほど頑張ってくれた
BMWのディーラーは値引き交渉にも積極的だった。具体的な金額は控えるが、「そこまで出してくれるのか」と驚くレベル。ランドローバーのディーラーがほぼ定価販売だったのとは対照的だ。
コストパフォーマンスという観点では、X5のほうが有利と言って良い。同じ予算なら、X5のほうがワンランク上のグレードに手が届く。
ディフェンダーのディーゼルは、BMW譲り?いや、それ以上かもしれない
ここで一つ面白い事実がある。ディフェンダーに搭載されているインジニウム・ディーゼルエンジンは、BMWと技術提携して開発されたものだ。だからディーゼル特有の振動やノイズが驚くほど抑えられている。
実際に両車のディーゼルモデルに乗り比べると、ディフェンダーのほうがむしろ滑らかに感じる場面すらある。2トンを超える車体をトルクフルに加速させる力強さと、高速巡航時の静粛性を両立している。BMWの技術をベースに、ランドローバーがさらに磨き上げたエンジンだと感じる。
横幅は正直気になる

X5の全幅は2,005mm(ミラー含む)。タワーマンションの機械式駐車場に入れてみたが、左右のクリアランスがギリギリだった。乗り降りにも気を遣う。
ディフェンダー110の全幅は1,996mm(ミラー含まず)で、ミラーを含めるとX5と同等以上になる。ただし、ディフェンダーはボディがスクエアなので、車両感覚が掴みやすい。どこまでがボディの端なのかが直感的にわかる。丸みのあるX5よりも、実際の取り回しはディフェンダーのほうが楽に感じる。
▼ 参考にした動画:五味やすたか氏によるレクサスRX vs BMW X5 試乗比較
それでもディフェンダーを選んだ3つの理由
1. 所有満足度
毎朝駐車場で自分の車を見たとき、テンションが上がるかどうか。これは数値化できない、でも毎日の生活に影響する要素だ。ディフェンダーの佇まいは、何年経っても飽きが来ない独特の存在感がある。X5ももちろんカッコいい。でも「SUVとして唯一無二か」と問われれば、答えはディフェンダーだった。
2. リセールバリュー
3年後・5年後の残価率を調べると、ディフェンダーの優位性は明白だ。X5も輸入SUVの中では悪くないが、ディフェンダーの残価率は国産車を含めてもトップクラス。「いい車に乗りながら資産価値も維持できる」という安心感は大きい。
3. 唯一無二の外観
街中で見かけるSUVの中で、一目でそれとわかるデザイン。ディフェンダーのスクエアなボディライン、サイドに張り出したエンジンフード、背面のスペアタイヤ——どれも他のSUVにはない要素だ。X5は洗練されているが、BMWのSUVラインナップの中での差別化は難しい。ディフェンダーは「ディフェンダーであること」自体が価値になる。
今でもX5を見ると思い出す
街中でX5を見かけると、あの試乗の記憶が蘇る。静かな室内、クルーザーのような乗り心地、完璧な自動運転。「あれも良かったな」と素直に思う。
でも、駐車場に戻ってディフェンダーを見たとき、「やっぱりこれで良かった」と確信する。車選びに正解はない。ただ、自分にとって何が大切かを突き詰めた結果が、ディフェンダーだったということだ。
X5を検討している人には、心から勧められる素晴らしい車だと伝えたい。そして、もしその比較対象にディフェンダーが入っているなら——一度だけでいい、ディフェンダーのディーゼルモデルに試乗してみてほしい。エンジンの滑らかさに、きっと驚くはずだ。

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